『女性科学者に明るい未来をの会』から感謝状を拝受
タイトルに記しました通り、1958年に地球科学者・猿橋勝子さんによって設立された『女性科学者に明るい未来をの会』から、感謝状をいただきました。猿橋勝子さんは1920年に生まれ、女性が理系の学問を追求する道が開かれていなかった時代に生きながら、地球化学の分野で世界的な業績を残されました。その中でも大きな活躍となったのが、海水中の炭素分析法を独自に開発し、ビキニ環礁での水爆実験で海水中に降下した死の灰の分析に適用して、ビキニ沖で水爆被災を受けた第五福竜丸の被害を科学的に証明したことです。人工放射性物質による海洋汚染の研究で重要な貢献をされました。
また、女性が学ぶ機会が非常に少なく社会での活躍も困難であった時代に、猿橋さんは自身の経験を基に「女性科学者に明るい未来をの会」を創立し、女性科学者の飛躍への道を切り開きました。
弊社は今年で創立30周年を迎えました。その間、困難だけではなく多くの喜びもありました。「理系分野で活躍する女性を応援し、育てる」という猿橋さんの強い想いに共感し、微力ながら支援を続けてまいりました。
弊社の代表である樋渡史子は筑波大学で物理学を専攻後、理化学の知識を活かし、1995年に分析機器の輸入販売会社を立ち上げて今に至ります。「当時は男性中心の組織の中で女性が仕事を続けること自体困難な風潮がありましたので、会社をつくって対法人として話しをする方が言いたいことも言えて仕事がし易かった」と、樋渡本人は申しております。
本ブログ記事の筆者は、約20年前に東京電機大学で物質工学を専攻していた身ですが、当時は大学全体の男女比は9:1で男子学生がまだまだ圧倒的に多い時代でした。しかし、女子学生だからという理由で学びに不便さを感じる場面はほとんどなく、十分に恵まれていた環境であったと思います。
さらに2024年の現在は、10年ほど前に流行した『リケジョ』という言葉さえ少し時代の遅れに感じるほど、女性が理系分野に進むことは珍しくなくなってきています。
猿橋さんの評伝『猿橋勝子という生き方-岩波書店』を読み進めると、近年の学びと活躍のチャンスの広がりは、猿橋さんの功績によるものと確信し、深い感謝の気持ちが湧いてきます。
今後も『女性科学者に明るい未来をの会』を応援し、女性科学者達の活躍や社会貢献を見守っていきたいと思います。
最後に。合同会社QSSのコラム「文理同舟」に、応用物理学会2023春に参加した弊社のセールスディレクタ高田が書いた記事が掲載されています。猿橋さんについて触れていますので、是非お読みくださいませ。
→応用物理学会2023春
<筆者:前沢香世>